僕が“せどり”という行為をはじめて1年がたとうとしている。
“せどり”とは、本や雑誌などを古書店などから安く購入して、オークション等で転売し、その差額で利益をえる行為のこと。
中古漫画等を取り扱う店舗に赴き、1冊1冊吟味する。大型店舗になると本の状態などで価格が決まるので、マニアに人気の絶版本などが、びっくりするくらい安い値段で売られていることがある。それを見つけられたときは本当に嬉しい。もちろん、高い値段で転売できるという理由もあるが、それよりも、それを本当に欲しがっている人から、『ありがとう』と言われるのが嬉しいからだ。ちょっとしたお小遣い稼ぎのつもりではじめたせどりに、僕はどっぷりとはまっている。
僕がせどりを始めた頃、ある1冊の中古漫画に出会った。今では売れっ子の漫画家の処女作品。しかも初版本。それを購入し、オークションにかけたところ、そこそこの値段が付いた。落札者はまだ若い女の子だった。その子からお礼のメールが届いた。
『ありがとうございます。大切にします。』たったその一言だったけれど、なんだかとっても嬉しかった。
きっと僕はそんな一言が聞ける限り、せどりを止めないんだろう。こんな僕がしたことでも、誰かが喜んでくれるのだから。